英語の長文が読めない理由と音読の方法

      2016/12/19

高ぺんくん①

単語も構文もやってるのになかなか長文が読めるようにならない、高ペン君

 

鈴ペンさん
あら高ぺんくん、いつもにも増して顔面蒼白でどうしたの?
悩める受験生高ぺん君
鈴ペンさん、単語も文法も構文も一通りやってるし、長文の問題集だってやってるのに、いまいち長文が読めるようにならないんですよね。しかも読むのが遅くって模試で間に合わない。。僕は落ちるのでしょうか・・・
鈴ペンさん
・・・とりあえず、落ち着こう。そうだね、高ぺん君は単語帳今5周目だっけ?
悩める受験生高ぺん君
はい、最近では長文の中で分からない単語も減ってきました。もっと単語をやった方がいいのでしょうか。
鈴ペンさん
おう!単語は順調そうじゃん!でも、単語ってのは必ず忘れるもんだから、どれだけっていうんじゃなくて、受験当日までずっと続けなかんよ。 で、長文だけど、そんな高ぺん君におすすめな方法があるよ。それは、“音読”だよ
英語入試問題の9割以上は長文読解だというのに、長文ってなかなか読めないですよね。単語も文法も構文も、パラグラフリーディングもやっているはずなのに、初見の文章となると何となくは分かるけど、いまいち読めた気がしない。 鈴ペンもそうでしたし、高ペン君と同じようにこの悩みを抱えている生徒はとっても多かったです。 受験生にとって、英語ができるかできないかで合否が左右されるといっても過言ではない長文読解。されどなかなか読めない長文。 そんな悩める受験生の特効薬、それが、
鈴ペンさん

「音読」

なのです。
悩める受験生高ぺん君
なんだ音読かあ。友達がいいって言ってたからやってみたことあるけど、全然効果なかったですよ。
鈴ペンさん
ふふふ。そういうと思ったよー。じゃあ高ぺん君、なんで音読をやるか、理由、説明できる?
悩める受験生高ぺん君
う、、、。アクセントとか、発音のためとかですよね。
鈴ペンさん
不正解ではないにしても、ここでは不正解!
悩める受験生高ぺん君
うっ、、、。
鈴ペンさん
音読は、「速読のため」にするんだよ!
そう、音読は、速読のためにするのです。 実際に鈴ペンの生徒で、高3の9月まで部活をしていて、英語の偏差値が45だった生徒が、この方法を使った結果長文読解が得意になり、見事慶應義塾大学理工学部に現役合格しました。鈴ペンも、入試だけでなく大学院試での英文翻訳や、海外調査の際の英会話にも役立ちました。 ではさっそく、なぜ音読が速読、つまり長文読解に効果があるのか、そしてどのようにやるのかについて紹介していきたいと思います。 この記事は、単語や構文などは一応やっているけれど、長文がいまいちしっくり読めない、という人に向けた内容です。 高ぺんくん①

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なぜ長文が読めないのか

まず、なぜ私達は英語長文が読めないのでしょうか。それは、日本語で英語を読もうとしてしまい、行ったり来たりするからです。 英語長文を読んでいてよくわからなくなってしまっている時の頭の中を再現してみましょう。

There was a good slope in a park not far from the Smiths’ house ,which children often used for their sledges, so Mr.Smith said that he would take Bobby there in the car. They put the sledge in and went off.

(伊藤和夫(1987)『ビジュアル英文解釈Ⅰ』駿台文庫)

悩める受験生高ぺん君
えーっとまずコンマがあって関係代名詞のwhichがある。えーとwhichってどこにかかるんだ?ああ、usedの目的語がないから、えーっとまた前にもどって、これはgood slope だな。そんで、えーっとボビーをそこに車でつれてくと言ったと、、あれ、なんて言いたかったんだっけ。もう一回読んでみよう。ふむふむ。次の文。えーっとin and went off ってなにが省略されてんだ?えーっと前に戻って・・・・
高ぺん君の頭の中を整理するとこんな感じです。

  • 一文に集中しすぎて、結局文章全体が何を言っているのか分からなくなる
  • 関係代名詞や、複雑な構文が出てきたらとまる
  • 一文に集中してると前の文章がメモしてても何言ってたか忘れちゃうから、行ったり来たりしてもう一回読んでたりしたら、あっという間に時間オーバー

  更に、一生懸命長文を読んだ後にやっと問題を見て、さあ選択肢を選ぼう、と思ったときには、長文全体の理解が曖昧なので、もう一度それっぽいとこを読む、また行ったり来たりして、時間オーバー、とりあえず何となくそれっぽい選択肢を選択   これじゃあ時間もかかる、曖昧な選択だから正解にもならないですよね? これが長文がなんとなくしか読めない、時間がかかる原因です。 そしてその原因は、もちろん文法力の定着不足というのもありますが、 「行ったり来たりする」というところにあります。

悩める受験生高ぺん君
じゃあどうしたらいいんでしょうか
鈴ペンさん
高ペン君、英語も日本語の文章を読むときみたいに、前から読めたら読めるようになると思わない
悩める受験生高ぺん君
確かに!!それができたら超楽ですよ!!!
そう、ここでポイントなのが、

英文を読むとき、前から意味を取っていく

ということなのです。  

鈴ペンさん
高ぺん君、次の英文を訳してみて

I love you .

悩める受験生高ぺん君
何言ってるんですか鈴ぺんさん。僕のこと好きなんですか?「私はあなたを愛している」ですよね。馬鹿にしてるんですか?
鈴ペンさん
高ぺん君、どういう順番で訳した?
悩める受験生高ぺん君
①I(私は)②you(あなたを)③love(愛している)です。馬鹿にしてるんですか?
鈴ペンさん
高ぺん君、ここで考えてみよう。英語圏の人は、果たして話すときに、①I ②you ③love という順番で考えていると思う?英語圏の人だって、私達日本人が日本語の文章を読むのと同じように、英文を読むとき、前から意味をとっているんだよ
鈴ペンさん
すなわち、英語圏の人の頭の中は、①I(私は)②love(愛している)③you(あなたを)って考えてるの
  日本人は、目的語、つまり「あなた」を先に言い、言いたいこと、つまり「愛している」を後にいいます。 私はあなたを・・・・・・・・・・愛しています という形です。私はあなたを、の時点では、嫌いなのか何なのか分かりません。 最後になって、「愛している」を言う、日本語は、言いたいことを後だしする文化なのです。 一方英語は、 私は愛している!・・・・あなたを というように、言いたいことを先に言う文化なのです。 これが、文法の違いです。 つまり、文化が違う。だから日本人は英語を読みにくいのです。 これには練習が必要。語学は実際に使って慣れないと、使えない。これを解決し、英語を英語として前から意味をとっていくその訓練をするのが、音読なのです

音読の方法

それでは、音読の方法を紹介していきます。 音読をするときには、

  • 授業を受け終わって、ノートを整理したもの
  • 長文の問題集で解き終わり、精読(上記のこと)し終わったもの
  • 模試で復習が終わったもの

 

を使います。音読は、あらかじめ既に問題を解き終え、丸付けも終わり、分からない単語も調べ終わり、つまづいた構文なども理解し終わり、全訳も終わった状態のものでやります

「そもそも日本語と英語の文構造がまったく違うだから、後ろから訳さないと意味がつかめるはずがない」といったように、前から訳すことに対して意味がないという意見もよくあります。しかし、しっかり精読し、構文の構造を理解した上で今から紹介するようにやれば、実際にやってみると分かりますが、前から意味をとっていくことが可能になります。その下地がない状態で、「前から訳せば読めるようになる」というのは全く違うと思います。

そしてただ何も考えずに読むのではなく、次の2点を意識しながら読みましょう。

①声を出しながら
②文を句・節ごとに区切って、頭の中で前から句・節ごとに意味を取りながら読む
 

  声を出すことで、嫌でも前から読みます。I love you なら、I you love って読まないですよね。 そして、ポイントが②です。

前から意味を取っていく時に句・節のまとまりごとに訳しながらむ。

これが重要になります。 句は、I live in Japan.の、in Japan の部分、 節は、I think that  you can try it. の、that  you can try it の部分になります。 ここで念のため句と節について説明しておきましょう。

句とは

いくつかの語が集まって、ある品詞に相当する働きをするもの。句はそれ自体の中に<主語+述語>を持たない。句には名詞句、形容詞句、副詞句の3種類がある。(名詞句:主語、目的語、補語になる、形容詞句・副詞句:修飾語になる。in front of などの熟語は、前置詞句とせずに、in front of the house など、次に続く名詞まで全体をまとめて形容詞句や副詞句として考える。)

名詞句

名詞と同じように、主語、補語、目的語などの働きをする。名詞句になるのは、おもに不定詞及び動名詞である。 (例)

  1. To drive too fast is to drive foolishly.(主語・補語)訳:猛スピードで車を運転することは馬鹿げた運転をすることだ。
  2. Would you mind opening the window?(目的語)訳:窓を開けていただけませんか?
 
形容詞句

形容詞と同じように、名詞・代名詞を就職したり、補語になる。おもに不定詞、分詞、<前置詞+名詞>が形容詞句となる。 (例)

  1. That is the way to understand great art.(名詞を修飾)訳:それが偉大な芸術を理解する方法です。
  2. He is a pianist of great talent.(名詞を修飾)訳:彼はすばらしい才能を持ったピアニストです。
 
副詞句

副詞と同じように、動詞、形容詞、副詞や文全体などを修飾する。おもに不定詞、分詞、<前置詞+名詞>が副詞句になる。 (例)

  1. To be precise, the accident occurred at 12:24 p.m.(文全体を修飾)訳:正確にいえば、自己は午後12時24分に起きた。
  2. It began to rain in earnest.(不定詞を修飾)訳:雨が本降りになった。
 

 

節とは

いくつかの語が集まって文の一部を構成するとともに、それ自体の中に<主語+述語>を持っているものを節という。そのうちで文法上対等の関係で結びついている節を等位節といい、一方が他方に名詞・形容詞・副詞に相当する働きをして従属しているとき、その従属している方を、従節(または従属節、従位説)、これを従えている方を主節という。 従節には、句と同じく名詞節、形容詞節、副詞節の3種類がある。

名詞節

名詞説は接続詞that, if, whether)疑問詞who, what など)、関係詞what, whoever など)に導かれる節で、文の主語、補語、目的語および同格節になる。 (例)

  1. It was a pity that you couldn’t come.(主語)訳:君が来られなかったのは残念だ。
  2. We were surprised at the news that she had got divorced.(同格)訳:彼女が離婚したという知らせに驚いた。

 

形容詞節

形容詞節は関係詞(who, which, that, when, where など)によって導かれる節で、文中の名詞・代名詞を修飾する。 (例) He shivered like a man who was very cold. 訳:彼は寒くてたまらない人のようにブルブル震えた。

 

副詞節

文の中で副詞として働くものを副詞節という。時、場所、原因・理由、目的、結果、条件、譲歩、制限、対照、様態、比較などの意味を表す。 (例)

  1. My sweater shrank when I washed it.(時)訳:セーターは洗濯したら縮んだ。
  2. My face is swollen because I have just had a tooth pulled out.(原因)訳:歯を抜いてもらったばかりなので私は顔が腫れている。

参考:綿貫 陽、宮川 幸久、須貝 猛敏、高松 尚弘(2000)『ロイヤル英文法改訂新版』旺文社

試してみる

では、先ほど挙げた文でやってみましょう。

There was a good slope in a park not far from the Smiths’ house ,which children often used for their sledges, so Mr.Smith said that he would take Bobby there in the car. They put the sledge in and went off.

(伊藤和夫(1987)『ビジュアル英文解釈Ⅰ』駿台文庫)

単語)sledge  そり  go off  出かける

訳)スミスさんの家からそう遠くない公園によい斜面があって、子供達がよくそれを使ってそりで遊んでいたので、スミスさんは車でその公園にボビーを連れて行ってやろうと言いました。彼らはソリを車に詰め込んで、そして出かけました。

この文を句、節で区切ると、

There was a good slope/ in a park  /not far from the Smiths’ house ,/which children often used /for their sledges, /so Mr.Smith said /that he would take Bobby there/ in the car./ They put the sledge in /and went off.

となります。 頭の中では、

よい斜面があった/公園に/スミスさんの家からそう遠くない/それを子供達はよく使っていた/そりで遊ぶために。 そのため、スミスさんは言った/ボビーをそこへ連れて行ってやろうと/車で/彼らはそりを詰め込んだ/そして出かけた。

と、句、節のまとまりごとに前から訳していきます。Whichなどの関係詞が出てきたときは、「それ」として前から訳してくと意味を取りやすいです。先ほどの名詞節で挙げた例文を参考にしてみると、

We were surprised at the news/ that she had got divorced.

私達は驚いた 知らせに / それは(その知らせというのは)彼女が離婚していたということ。

といったような感じです。 また、実際に読むときは、この句、節の切れ目を意識して読むようにすると(ちょっと止まってみたり)、より定着しやすいです。

さらに・・・文章全体の要旨が把握しやすくなる方法

ここでさらに読む時に読み方を工夫することで、文章全体の流れをつかみやすくする方法を加えます。それは、

自分が英語圏の人になったつもりで、逆説の後や、重要な部分はゆっくり、大きな声で読む。
具体例などは早く読む。

ことです。例えばオバマさんのスピーチみたいに。そうすることで、文章の強弱をつかむことができ、自然とどこが重要で、どこが重要ではないか(英文はどこも重要なんだけど)をリズムでつかむことができ、文章全体の要旨がつかみやすくなります。その結果、英文を読む際に緩急がつき、速読にもつながるってわけです。  

回数

これを「もういいよ、わかってるよはいはい」ってくらいまで読み込む。 大体予備校の先生や、合格者が言っているのは10〜15回くらいです。 やってみると分かりますが、1回や2回ではすんなりいきません。 先に紹介した慶應に合格した生徒は、毎日予備校の英語のテキストを15回読んでいたと言っていました。 9月から初めて、12月頭頃、つまり約2ヶ月で、格段に長文が読めるようになっていました。もちろんその生徒は、それに併せて文法の問題集を3周と、授業の予復習を徹底的にやっていました。

悩める受験生高ぺん君
15回もやるんですね。僕が前音読してたときは、せいぜい1、2回でした。しかも予備校の英語の復習は、ノートを整理して、問題をもう一回解いて、で終わってました
鈴ペンさん
それじゃ英語を読めるようにならないよ。だって言語って使わなかったら話せるようにならないでしょ?それから回数だけど、回数が問題じゃないの。自分の頭に定着する回数は、人それぞれ違うでしょ?それにそれだけ読めば、分からなかった単語や、授業や問題集で出てきた重要ポイント、複雑な構文なんかも頭に定着するから、音読は一石二鳥どころか一石三鳥にもなるよ!
鈴ペンさん
ただここで重要なのは、言うまでもないけど、単語、熟語を地道に覚え続ける、文法力、構文力をつけないことには精読もできないから、そこは引き続きしっかりやることが大切だよ!
悩める受験生高ぺん君
おおー!なんで今まで教えてくれなかったんですか。さっそく僕今日からやります!
方法をまとめると、

①声を出しながら
②文を句・節ごとに区切って、頭の中で前から句・節ごとに意味を取りながら読む
句、節の切れ目を意識して読むようにする
④自分が英語圏の人になったつもりで、逆説の後や、重要な部分はゆっくり大きな声で、具体例などは早く読む
 
 

これを定着するまで何回も読む。音読は気分転換にもなるので、寝る前などなかなか机に向かいたくないなって時にもおすすめです。隙間時間をうまく使って、習慣化させましょう。大切なのは、継続です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここでひとつ、高ぺん君のこの発言を振り返ってみましょう。

悩める受験生高ぺん君
なんだ音読かあ。友達がいいって言ってたからやってみたことあるけど、全然効果なかったですよ。
鈴ペンさん
ふふふ。そういうと思ったよ。じゃあ高ぺん君、なんで音読をやるか、理由、説明できる?
悩める受験生高ぺん君
う、、、。アクセントとか、発音のためとかですよね。
伸び悩む受験生でよくあるのが、人にいいと言われた方法に何も考えずにとびついて、自分にとってなにが不足しているのか、その不足の原因はなんなのか、その不足を解決するにはどうしたらいいか、を考えず、また方法の効果も方法も理解せずにやる、といったことです。 音読も、かつての高ぺん君と同じように、ちゃんとした方法や効果を知らずにやるのと、どうして効果があるか、どのようにやるかがわかった上でやるのとでは効果がまったく違います

受験勉強は、「志望校の入試問題の合格点をとる」のが目的です。それは、合格の方法論をただ集める作業ではなく、自分が問題を解く上で足りないものを分析し、知らないことを理解する、そうやって、志望ことの差を埋めていく作業だ、ということを忘れないようにしましょう。
悩める受験生高ぺん君
いやあ、胸が痛いです。では早速音読してきます!

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