高校生の塾選び。河合塾・駿台・東進の学年別年間費用とカリキュラム比較
2017/01/08
「後悔しない塾選びを!」
この様に思う人は多いのではないでしょうか。大学受験塾大手3校、ぶっちゃけどこに行っても大学受験に必要なものは揃っています。しかし、比較してみると三者三様の特徴を持っています。
そこで今回は、高校時代は河合塾に通い某三大予備校に勤務していた立場から、大学受験の中心を担う河合塾・駿台・東進の比較を報告していきます。
高校生のための塾選びのコツは、自分の状況に合った塾を選ぶこと。後悔しない塾選びをしましょう。
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目次
そもそも河合塾・駿台・東進ってどんなとこ?
⇒現役合格のための専門学校
3校とも中学生の時までの塾とは異なり、高校の授業の補助的な塾ではなく大学受験のための塾(予備校)です。志望校や成績よってクラスが分けられ、自分の必要とする科目1科目から受講できます。3校とも学習計画や成績管理をする担任と、難関大に通う大学生のW体制で高校生を現役合格に向けてサポートしていきます。
自習室の様子(河合塾)
※画像元:河合塾HP
①合格実績は?
河合塾・駿台は2015年度、東進は2016年度の実績で比較しました。
超難関、医系理系は駿台、一橋大・早慶は河合塾
チェック欄をクリックすると、その大学系統のグラフに切り替わります。
東大・京大・医学部医学科、東工大は駿台、一橋大・早慶大は河合塾が合格者数が多いことが分かります。
文系の河合?理系の駿台?
合格実績のグラフを見ても、「文系の河合、理系の駿台」と言われているような結果になっていることがわかります。ただ、河合塾も理数系塾SEGと提携しているなど、理系にも力を入れており、実はカリキュラム的にはそんなことはなく(また実際に中にいた身からしても)、これは以前の記事でも触れましたが都市伝説的なところが大きいです。
とはいえ3校ともすごい
3校とも、校舎数などの母数や母体が異なるので一概には比較できません。なので、塾選びの際は、東進も含め、実績数と併せて費用やカリキュラムなど、しっかり調べて自分のニーズに合うところを選びましょう。
②1年間にかかる費用は学年別にどこが1番安い?
1年間にかかる費用は、入学金・ コース授業料・季節講習受講料です。入学金は3校とも約3万、コース費は1コースあたり年間約7万〜20万、季節講習費は年間約10万〜30万かかります。
では、高校1・2年生と高校3生でそれぞれ費用を比較していきます。
学年別1年間にかかる費用(4月スタート)
見たい学年をクリックすると、その学年の年間にかかる費用のグラフが見れます。費用は入学金・コース受講料・季節講習授業料(税込み価格)で計算しています。
※高校1・2年生、高校3年生ともに、鈴ペンが実際に某三大予備校勤務時に生徒が平均的に受講していたコース、また実際に各予備校に
問い合わせて聞き取った、平均的に受講している講座・講習数で同じ履修レベルになるよう計算。
※料金は各校2016年度のものを参考。
【※高校1・2年生詳細】
⇒英・数2科目を1年間受講、夏期・冬期・春期講習を合計6講座受講した場合、入学金込みの料金
河合:通年)アクティブレクチャー英・数
駿台:通年)ハイレベル英・数
東進:通年)英・数2講座
※東進は別途担任費32,400円、模試費12,960円をコース費に含めて計算
【※高校3年生詳細】
⇒早慶大文系志望
⇒英・国(現・古)・世界史を1年間受講、夏期8講座、・冬期直前講習12講座を受講した早慶大志望場合、入学金込みの金額
河合:通年)早慶大英語・早大現代文・早大古文・早慶大世界史
駿台:通年)スーパー早慶上智大英語・スーパー早大国語・スーパー早慶大世界史
東進:通年)通期志望校ユニット10(通期志望校ユニットの場合、担任費、模試費も含まれたセット価格になる)+過去問演習講座81,360円
※東進は過去問演習講座をコース費に含めて計算
高校3年生は東進がやや高くなる
東進は特に高校3年生の授業は、河合塾・駿台が1講座の中に含まれている内容が2講座分、例えば英語なら長文読解と文法、世界史なら世界史東洋史と西洋史が分かれているなどするためその分取得講座数が多くなります。また、東進のカリキュラムは高速学習で、高3夏までに受験範囲を修了させ、その後過去問演習に切り替わります(選択制)。なので、東進は高校1・2年生に比べて高校3年生でかかる費用の総額がグンと上がります。
入学金割引などで費用を押さえよう
河合塾と駿台は入学説明会参加やネット入学申込、それぞれKei-Net(河合塾)、I-SUM CLUB(駿台)に登録(無料)すると、簡単に15,000円割引になります。また家族が河合生、駿台生であればそこからさらに河合なら10,000円、駿台なら15,000円(つまり全額)割引になります。
スカラシップは3校ともありますが、かなりの成績が必要です。基準は発表されていませんが、各模試で全国1位、2位くらいの成績は必要です。
※学費の詳細は必ず各自各HPを参照してください。
※3校とも月謝制ではなく、一括払いか分割払い。河合・駿台は4月入学の場合高1・2は10分割、高3は8分割で分割手数料無料。東進は分割は別会社ローン。
③カリキュラムとサポート体制
3校とも共通してサポート体制は、職員の担任と現役大学生がサポートにつき、学習計画指導・成績管理・出願指導面談などを行います。ちなみに講師は3校とも同じくらいいいです。言われた通りに予復習・授業を受ければ力は上がります。
⇒ 河合塾の詳細
⇒ 駿台の詳細
⇒ 東進の詳細
河合塾
⇒演習を軸としたカリキュラム
授業内に演習が組み込まれているものが多いです。東大医学部志望向けのONEWEXコースは授業内に演習テストと、添削、高校1・2年生もほとんどの授業で90分のうち60分授業、残り30分テスト、といった形か、テストがない場合でも自宅課題があり、翌週提出・採点返却、といった形など演習が多いカリキュラム。
英・数の個別指導コースもあります。
【カリキュラム】
●授業スタイル:対面集団授業
●スタート時間:17時30分スタートから20時スタートまで様々
●授業時間:90分区切り
●授業回数:高1・2)年29回、高3)年24回
●演習を軸としている:
演習がある授業、特に高校1・2年生は、その日の授業が理解できているか、60分解説→30分テスト、添削返却など、演習と添削指導が多いカリキュラム。
【サポート】
●担任:職員の担当チューターと難関大に通う大学生チューター
担任は生徒一人ひとりにつく。予備校のチューター(担任)制度は河合塾が発祥。
●欠席時の対応:別曜日の同授業に振替、高校1・2年生はe-アクティブシステム。
⇒e-アクティブシステムは、講師は別だが受講している授業映像、板書を自宅のパソコンで無料視聴できるシステム。欠席した時だけでなく復習にも役立つシステム。高1・2のみ。
●質問体制:講師またはフェロー
⇒授業に関する質問は講師に直接質問できる。それ以外の自分のやっている問題集など質問は、フェロー制度があり、フェロールームに常駐しているフェロー(大学院生)に質問できる。フェローは大学生チューターとは仕事を別にしている質問専用員。
河合塾大阪校自習室の様子
※画像元:河合塾大阪校HP
駿台
⇒集中しやすい50分授業と本質授業
50分区切り(1回の授業につき2回休憩がある)で、集中力を持続しやすく2回休憩を挟むことで頭を整理しやすい。元々創始者が大学教授の傍ら受験生に暗記英語ではなく、学問としての英語を教えるために始まった予備校なので、今でも大学で教えている講師も多く、学問として根源理解・本質理解をさせる授業スタイル。高1・2のハイレベルコースは、河合塾と同様100分授業、50分テスト演習授業。高1・2は実戦演習CBTという自宅演習テストシステムがあります。
座席は指定制。毎週席替えがあります。個別指導も併せてつけられ、科目は自由。この分野だけ!という短期の受講もできます。欠席時はOD欠席フォローシステムを利用できます。
【カリキュラム】
●授業スタイル:対面集団(座席指定制)
●スタート時間:18時00分〜
●授業時間:50分×3=150分授業(1日)
●授業回数:高1・2)年32回、高3)年24回
●実戦演習CBT:自宅演習テストシステム
⇒高校3年生も復習として高校1・2年生の内容のテストを受験できる。授業に加え、スマホ・タブレットなどからテストをする。1教科30分テスト×27回で、成績分析があり、全国の自分の順位や推移、弱点をチェックできるので、学習計画のフォローになる。
【サポート】
●担任:進路アドバイザー(職員)とクラスリーダー(大学生)
⇒クラスリーダーは、各授業に1人~2人が1年間担任としてつき、毎週授業の合間におこなわれるLLタイムでは時期に応じた体験談や合格の秘訣、そのクラスの状況に応じたアドバイスを行う。また、全員に個別面談をおこなう。
●質問体制:講師またはクラスリーダー
⇒授業の質問は講師に直接。それ以外の自分のやっている問題集などの質問はクラスリーダーに質問できる。
●欠席時の対応:OD欠席フォローシステム
他曜日の同じ授業に振替か、高校1〜3年生まで、OD欠席フォローシステムを利用できる。授業が録画撮影されているので、自分が受けるはずだった授業を視聴できる。費用は1回500円。ただ、電車の遅延や自然災害などの時は、無料で視聴できる。講習は利用できない。
授業前の座席チェック
※画像元:駿台HP
東進
⇒映像授業だから開始時間も時期も自由自在!
映像授業なので、自由度がとても高いのが特徴。自分で視聴日・視聴時間・視聴期間を決めることができるのがメリット。途中で入っても、映像なので最初から授業を受けることができます(河合や駿台は途中から入ったら途中から)。1年で視聴する授業を、最短2週間〜1ヶ月で受けきることもできるので、高校3年生でギリギリまで部活をやっていた生徒にはおすすめ。ただ、消化しないと意味がないので、受けることを目的にするのではなく、しっかり予習復習時間、消化時間を考慮した上でスケジューリングすることが鍵です。
【カリキュラム】
●授業スタイル:映像個別視聴
●スタート時間:朝から夜20時視聴開始まで様々
●授業時間:90分
●授業回数:学年問わず年20回
●高速学習:
高速学習が特徴で、高校3年生の夏までに受験科目を修了させ、その後は志望校対策特別講座、過去問演習講座(添削)などを受講する。
●テスト演習:
授業内に授業後すぐに授業が理解できたか確認テストがあるのと、講座終了時には講座修了判定テストがある。
授業受講風景の様子
※画像元:東進ハイスクール町田校HP
【サポート体制】
●担任:担任(職員)と担任助手(大学生)
担任助手主体で週1のグループ面談を行う。担任助手1人に対し生徒5人。学習計画のサポート。自習の学習計画をたてることと、先週の計画の出来具合をそれぞれ発表する。
●質問対応:電話かFAXで講師ではなく質問対応専門員に質問。担任助手にも質問できる。
●欠席時の対応 :視聴日の変更申請か、t-PODシステム
t-PODシステムは自宅で授業を視聴できるシステムで、スマホタブレットも対応。
グループ面談の様子
※画像元:東進ハイスクール町田校HP
まとめ
以上、河合塾・駿台・東進を①合格実績、②学年別1年間にかかる費用、③カリキュラム・サポート体制の3点から比較してきました。
高校生は学校があるため、時間が限られてきます。そんな中でも、効率よく第一志望合格のための力をつけるために、自分に合った塾を選ぶことは非常に重要な選択になります。
それぞれに特徴があり、メリットもデメリットもあります。大切なのは、自分の学習計画とニーズを挙げた上で、それに合った塾に入りましょう。
入学後は、カリキュラムに沿って、予習復習を徹底的にし、1回の授業を完璧に消化するよう努めましょう。
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