「経済的な理由から予備校に通えない」
「近くに予備校がない」
「でも独学で勉強していくのは自信がない」
このように思っている受験生は多くいると思います。
そんな受験生の悩みを解決してくれそうなのが、最近話題の月額980円でスマホで授業を受けられる「スタディサプリ」です。
とはいえ、金額が安くて、どこでも授業を受けられるという利用のしやすさから、
「本当にこれを軸に受験勉強を進めていって大丈夫なのか?質は大丈夫なのか?」と思う人も大勢いると思います。
そこで今回は、
- そもそもスタディサプリとは何か
- 実際にスタディサプリは大手予備校と比べて同じくらい利用できるのか、
- 実際の利用者の評判、
- そして一番大切な、合格する使い方
について報告したいと思います。
結論から言うと、スタディサプリは、三大予備校Sで勤務していた鈴ペンから見ても(実際に有料登録して利用してみた)、授業自体のカリキュラムがかなりしっかりしていて、超素晴らしいサービスだと思います。事実最近では学校単位で導入している学校も増えています。
スタディサプリは月額980円で、テキストを全て購入したとしても1年間にかかる費用は約3万円とかなり安いにも関わらず、授業は大手予備校で受ける授業と同じクオリティーの授業を受けられ、経済的・地理的・その他様々な要因から大学受験において不利になる受験生でも、平等な環境を受けることができる、画期的なサービスなのです。
なので、1人でも多くの受験生のチャンスが広がればと思い、今回スタディサプリについて報告しようと思いました。
この記事が、様々な理由で受験を諦めている受験生が同じ環境で受験勉強をできる一助になればと思います。
目次
そもそもスタディサプリって何?
スタディサプリは、登録したら授業をスマホやパソコンで自宅で視聴する、オンライン予備校で、高校生は高校1・2年生向けの高校講座と、高校3年生・浪人生向けの大学受験講座があります。
高校3年生でも中学、高校1・2年生の講座も見放題なので、超苦手科目を最初からたたき直すことも可能です!
なので、実際に鈴ペンのいた予備校でもいましたが、高校を中退して大検から大学受験を目指す人でも、高1・2、もっと遡って中学の講座も気軽に受けることができるので、そのような受験生にとってかなり心強い味方になります。
だから、受験サプリをやっている時間で無駄な時間は1分も生まれないはずです。 【首都大学東京・都市教養学部合格】(東京都)※スタディサプリHPより引用
仕組みはだいたいこんな感じ!
ネットで申込み ⇒ 授業選択・スケジューリング ⇒ 自宅で授業、って感じです!ポストで返却がないだけでTSUTAYAディスカスみたいですね。
他の予備校と比較
では他の予備校や塾とどう違うのでしょうか。それは、
- 質問ができるかできないか
- 添削があるかないか、
- 相談などのサポートがあるかないか、
の違いです。
①授業、②サポート体制、③年間費用、以上3つのポイントで他の予備校と比べてみました。
※通年講座。季節講習・1週間以内の講座を除く。
講師
授業は講師、授業数ともに他予備校とも引け劣りません。講師は河合塾や駿台、秀英やZ会など大手予備校でも教えている先生が大半で、自宅にいながら有名予備校の授業を受けられるってわけです。
評判や口コミを検索していてとある科目で「河合塾の先生より全然いい!」ってコメントを見かけましたが、河合塾の先生なんだからそりゃそうですよね。
何回も、学年をまたいでも視聴できる
しかも理解が浅いところなど何回も視聴できるのもいいですね!(東進の場合、再視聴は校舎にもよるが別途100円ほどかかる。)
また学年をまたいでの受講も気軽にできるので、苦手分野を埋めるにはかなり有効です。実際に、数学の山内先生は、高3生で基本レベルが怪しい分野は高2スタンダードレベル数学の該当分野へ戻って受講するようにすすめています。受験サプリは、「戻って学習できる」ので、他の予備校よりも抜けのない学習がしやすいのです。
授業のボリューム
980円という安さだと、「どうせ授業のボリュームが少いのでは?」と思うかもしれませんが、計算してみると、ほぼ同じか、むしろそれ以上の授業ボリュームです。
※3校とも高校3年生の講座で比較。数学は、スタディサプリはトップレベル数学ⅠAⅡB、河合塾はトップレベル数学、東進は受験数学Ⅰ・A/Ⅱ・B(難関)、英語はスタディサプリがトップレベル英語<読解編>、河合塾がトップレベル英語、東進が早慶上智大英語―長文読解―
スタディサプリ、東進は、例えば英語だったら、文法編、読解編と分かれていたりするので、一概に3校の授業時間数を比較することはできませんが、それでも、グラフでも分かるようにボリュームは十分です。地歴や物理の講座は50コマ近くあり、かなりのボリュームです。
次に、サポート体制について比べてみましょう。
サポート体制は、他の予備校が圧倒
サポート体制は他の予備校に比べるとやはり劣ります。
担任がいないので、自分で入試情報の収集や、モチベーション維持、模試の分析、出願などをしなければなりません。その点に関して、某三大予備校Sで担任をしていた鈴ペンがペンギン報告で時期に併せた報告を上げていくので、(例:私立大センター利用入試 ボーダーの判断方法偏差値40から逆転した4つの方法【幸雄のポンコツ早稲田大学合格体験記】などなど、、、)併せて利用してもらえればと思います。
添削・相談の対処法:国公立志望者はZ会との併用を
⇒併用しても費用は他予備校よりもはるかに安い
添削に関しては、国公立大志望者や、早慶など記述論述がある人は、Z会と併用するのがベストだと思います。※Z会についての詳細はこちらの記事を参照
Z会とは、難関大志望者が多く利用している通信教育で、テキストを読む⇒テストを受ける(月2回)⇒提出する⇒添削が返ってくる、といったスタイルのものです。
実際スタディサプリ利用者も、Z会と併用している人が数多くいます。
Z会の費用は本科1講座年62,400円(基本料金24,000円+講座料金38,400円)、月々6,000円です。本科3講座以上の場合はセット割り引き、一括払いの場合も割引があります。
サポート体制として質問、進路に関する相談も対応しているので、サポート面でのスタディサプリの不足を補えます。また最近ではポイント解説などの映像も視聴できます。
主要科目を受講しても、スタディサプリと併せても年額は他予備校よりは遥かに抑えられるので、このセットはかなり良いかと思います。
ちなみに鈴ペンもZ会は受験生時代、予備校の小論文のテストだけじゃ足りなかったので小論文を受講してましたが、添削のコメントが割と辛口で、落ち込みもしましたがお陰でかなり鍛えられました。
⇒Z会の資料請求はこちら(無料)
※教材サンプル・「今日からはじめる大学受験英語」つき
結局使い方が重要!
スタディサプリはサポート面は弱いにしても、授業自体はとてもいいことがお分かりいただけたかと思います。だからこそ、これは他の予備校でも同じなのですが、大切なのは使い方で、
●自分のレベル合った授業を選択する。
●しっかり使いこなして使い倒す。
この2点が最も重要です。次に、その2点を踏まえつつ、効果を上げる使用方法を検証していきます。
授業の選び方・使い方を徹底検証!合格する使い方マニュアル
大切なのは、スタディサプリは志望校合格点突破、成績上昇のための単なる「手段」ということ。それを踏まえた上で自分の学習計画に沿った受講計画・受講をしましょう。手順としてはおおまかに言うと、
①受講科目・レベルを決める
②「はじめに」を見て予習復習の仕方をチェック
③スケジューリング
です。それでは、詳しく講座の選択から受講開始までの使い方について見ていきましょう。
まずは無料会員から。無料会員と有料会員の違い。
いきなり有料会員はちょっと、という人は、無料登録でも授業を1講丸々受講できるのと、その分のテキストも無料でダウンロード・印刷ができます。また、入試情報検索や、過去問のダウンロードも有料会員と同じようにできるので、まずはお試しに無料登録から始めましょう。
※その後有料会員登録をしなくても、料金が自動的に発生することはありません。
【無料登録はこちら】
①受講科目を決める。
受講科目はなんとなく決めるのではなく、必ず受験までの大まかな計画を元にした上で決めるようにします。そうすることで、途中離脱率が下がります。※学習計画の立て方についてはこちらの記事を参考
⇒高校1・2年生は英語・数学(国語)を
高校1・2年生の人は、まずは英語・数学(国語)を受講しましょう。というのも、この3科目は伸びるのに時間がかかるので、この3科目の基礎固めを3年生になる前にしてしまいましょう。選択科目は3年生からでも間に合います。
⇒高校3年生・浪人生
高校3年生や志望校が決まっている人は、志望校の過去問・合格者得点・国公立の人はセンター合格者得点率・入試科目・変更点をチェックし、合格するのに必要な条件を調べましょう。その他苦手分野など、自分の状況に応じて受講科目を決めましょう。
【チェックポイント】
志望校の過去問 ⇒ 出題傾向・論述記述要約の有無・英作文の有無など
合格者得点 ⇒ 二次試験の合格者得点・合格者センター得点率
入試科目と変更点 ⇒ 最新のものをチェック
これらの情報はスタディサプリのホーム画面、受験メニューの「大学検索」から調べることができます。※詳しい操作方法はこちら
なおセンター合格者得点率についてはこちらの記事、二次試験の合格者得点は、こちらの記事に具体的な見方をまとめているので、併せて参照してください。
②受講レベル・講座を決める:英語は高3生は高2の講座もセットで
次に、ホーム画面から講座一覧とカリキュラムをチェックして、目星をつけます(講座詳細は登録後(無料でも可)のホーム画面からしか見れない)。講座に目星がついたら、レベルと受講講座を決めす。
⇒ 講座・カリキュラムのチェック操作方法はこちら
ポイント①自分に合ったレベルで
受験サプリからスタディサプリに変わって、「講座レベル診断チェックテスト」がなくなってしまったので、以下を参考に受講レベルを決めましょう。
※偏差値は河合全統模試
数学は、無料登録でも視聴できる、山内先生の「数学講座の選び方」(全学年ある)で詳しい説明があるので、そちら視聴してください。
またそれらに併せて、それぞれ第1講を見比べるなどして、自分に合ったレベルの授業を受講しましょう。スタンダードでも厳しい、という場合は、一つ下の学年の授業も考慮にいれましょう。
ポイント②英語は、高3生はなるべく高2生の講座もセットで受講しよう。←重要
英語は、高1・2・3生共通して、文法だけではなく、読解とセットで受講するようにしましょう。というのも、英語は単語やって、文法やって、読解やって、ではなく、並行で学習していくことで力が体系的に伸びていくからです。
また、高3からスタートする人は、できれば高2の講座もセットでの受講をお勧めします。というのも、高3の講座だけでは文法・読解ともに全文法事項をカバーしていないため、高2の講座と併せて受講することで全範囲をカバーできるからです。文法・読解において受験生がつまづきやすい読解の基礎となる無生物主語・ネクサス・エンドウェイト・意味のカタマリなども高2で土台部分を扱うので、セットでの受講がよいでしょう。
なお、河合塾・駿台の高3の履修範囲も全範囲を高3で改めてカバーできる構成になっています。
③「はじめに」を視聴する
各講座最初にある「はじめに」を視聴して、予習復習の仕方・授業の受け方をチェックします。各講座受講開始をクリックすると最初に出てくる動画です。
④スケジューリング
受講講座が決まったら、1週間のスケジュールを立てます。大切なのは、何曜日の何時から授業を受けるかをしっかり固定化させることです。
一見当たり前のように思えますが、実際に登校することがなく、強制力が他塾よりも弱い受験サプリにおいて、継続して受講を続けるには、この「習慣化」がとても重要だからです。受験サプリに限らず、例えば単語学習なども同じで、継続学習が必要になるものは「習慣化」させ体を慣れさせることで、楽に継続ができるのです。
併せて、スケジュールを組む際はいつ視聴を終えるかを考慮して、1回に何コマすすむのかも考えてスケジュールを立てましょう。
①まずは自分の1週間の予定をいれる。
②空いている時間・曜日に授業を組み込む。予習・復習をいつするかもしっかりいれる。
③日曜日はあけること
⇒模試がある場合があるのと、調整日にするため。基本的には1週間の復習日、および、自分の予定が終わらなかったときにここで調整するため。復習は短期の復習、中期の復習、長期の復習と、段階を分けてしつこくやること。大切なのは、授業で得た知識を定着して使えるようにし、それを受験当日に使えることです。
④授業の曜日登録をする ※操作方法はこちら
こんなかんじでスケジュールを立てて、まずは1週間、始めてみましょう。
【例】
※登下校時で英単語100個、熟語50個 /1日
※昼休みで古文文法
※世界史は全50講あるので、1日に2講義分進む
数学高2ハイレベル…講義を見る→その単元の黄チャートを解く。古文読解高3スタンダード…講義を最後まで見る→その解き方に習って毎日古文の問題を解く。
地方中小都市の公立高校から、一橋大学に入学できたのは受験サプリの先生方のおかげです。塾に行くお金の余裕もない中、月々980円は本当に助かりました。受験サプリでは学校では取り扱ってくれないようなレベルの授業も多く、とても勉強になりました。【一橋大学・法学部合格】(静岡県)※スタディサプリHPより引用
⑤調整
自分の立てたスケジュールで1週間やってみて、うまくいかなかったスケジュールの箇所を修正して、2週目に。このように、計画はズレるのが当たり前なので、一度やってみる ⇒ 修正する、が大切です。
スタディサプリ受講者が注意すること
⇒入試情報はしっかりチェックしよう
タイミング、ポイントは入試の仕組みをしっかり知ること、志望校の入試動向と傾向、入試科目変更のチェック、浪人生は9月になったらセンターの出願方法、11月になったら出願先の決定 など。
⇒模試は河合塾か、駿台かどちらかを統一して受験しよう
特に宅浪生や、学校で模試を受験しない人は今のうちにラインナップを確認しておくこと。模試は申込期限が意外に早いです(思った以上に会場の定員が埋まってしまい、締切がはやいです)。模試の推移は同じ予備校の模試じゃないと母体が違うため比較できないので、同じ予備校の模試を統一して受けるようにしましょう。
⇒授業を受けてるから受かる!落ちる!じゃない
自分に必要なもの、スタディサプリを軸にして、そこからしつこい復習をし、演習して、学んだ知識を定着させるのは自分。実際にスタディサプリの先生も言っています。スタディサプリに関わらず、参考書で受験勉強やろうが、駿台や河合塾で授業受けようがこれは同じです。それができていない人は、どこを利用しても落ちます。
※関連記事:英語の長文が読めない理由と音読の方法
まとめ
以上、スタディサプリについて、その詳細と評判、使い方についてまとめてきました。
スタディサプリは、冒頭でも触れたように、低価格で大手予備校の授業をどこでも受けることができ、多くの受験生が平等に志望校を目指すことができる受験生の強い見方です。
あとは、しっかりそれを自分の武器として使いこなせるか。丁寧な講座選びと、スケジューリング、講師を信じて授業を取りこぼさず受ける、そしてしつこい復習。
第一志望合格のためにできることをやりつくしましょう。
自分の未来を変えるのは自分次第です。環境や、過去の自分に負けず、自分の未来を自分自身で創っていってください。
鈴ペンはそんな受験生を応援しています。
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